15歳、終わらない3分間
少しだけ、空気が軽くなった教室。


日下さんと青野君がまた他愛のない話をしてくれて、今度は大庭君も時折参戦してきたりして。

ちょっとだけ、わだかまりが解けたような雰囲気。



だけど――かわらない。


時計の針は相変わらず同じ時間を繰り返し示し続けていて。

窓の外の景色も、何も違わない。


それでも時々大庭君や青野君がドアに手をかけてくれて、霧崎君が窓を確かめてくれるんだけど。


やっぱり開く気配もない。


一体、ここに閉じ込められてどれぐらい経ったのだろう。

本来時刻の経過を教えてくれる時計が、同じ時を繰り返している為、さすがに時間の感覚がなくなってきてしまった。


1時間? 2時間? さすがに一日経ったという気はしないけれど。


 
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