15歳、終わらない3分間
冷たく無色だった教室に、ぬくもりと色が添えられた。
だけど私の周りには薄くて透明の膜が出来ているみたい。
ううん、そのフィルターのこっち側には。
きっと霧崎君もいるのだと感じてしまった。
楽しそうで賑やかそうで、温かそうなあの輪の中。
私はそれをいつも近くで眺めていた。
彼も、一緒なのだろうか。
涙がぽたり、空(くう)に沈んでゆくのを見たとき。
その鈍い光を携えた瞳と視線が合う。
それが、それがなんだかとてつもなく胸を締め付けて。
思わず手を伸ばし、彼の手を取りたくなった。
そんな瞬間。
「だがさっぱりわからんな」
背中から聞こえた声は、現状をきっちりと把握していた。
そう、何も解決していない。
時計は今も進まず同じ3分を繰り返している。
まだ私たちはここに留まっている。
だけど私の周りには薄くて透明の膜が出来ているみたい。
ううん、そのフィルターのこっち側には。
きっと霧崎君もいるのだと感じてしまった。
楽しそうで賑やかそうで、温かそうなあの輪の中。
私はそれをいつも近くで眺めていた。
彼も、一緒なのだろうか。
涙がぽたり、空(くう)に沈んでゆくのを見たとき。
その鈍い光を携えた瞳と視線が合う。
それが、それがなんだかとてつもなく胸を締め付けて。
思わず手を伸ばし、彼の手を取りたくなった。
そんな瞬間。
「だがさっぱりわからんな」
背中から聞こえた声は、現状をきっちりと把握していた。
そう、何も解決していない。
時計は今も進まず同じ3分を繰り返している。
まだ私たちはここに留まっている。