15歳、終わらない3分間
生きていれば幸せも不幸もどちらもある、どっちか片方だけなんてないんだと。
それは容易(たやす)く変わるものなのだと。
わからない。
私が最後に幸せだと思ったのはいつだろう。
それから一体どれだけ辛いときを過ごしたのだろう。
もし転々と幸不幸が変わるなら、私はきっと屋上には向かわなかった。
だからしっかりと答えた。
そしてその答えに。
霧崎君は瞼を押し上げ、悲しい瞳の色を携えて頷いた。
「俺も、わからないんだ」
そう唇を動かしながら。
その瞬間私の心の青い染みに、一滴何かが落ちた。
塗っても塗っても浮き出てくる青が途端すっと消えていく。
「すまない、あのとき俺は――」
「乾! 霧崎!」
だが消えはじめた青がふと足を止めた。
霧崎君の声を遮って聞こえてきたのは、大庭君の私たちを呼ぶ声。
それは容易(たやす)く変わるものなのだと。
わからない。
私が最後に幸せだと思ったのはいつだろう。
それから一体どれだけ辛いときを過ごしたのだろう。
もし転々と幸不幸が変わるなら、私はきっと屋上には向かわなかった。
だからしっかりと答えた。
そしてその答えに。
霧崎君は瞼を押し上げ、悲しい瞳の色を携えて頷いた。
「俺も、わからないんだ」
そう唇を動かしながら。
その瞬間私の心の青い染みに、一滴何かが落ちた。
塗っても塗っても浮き出てくる青が途端すっと消えていく。
「すまない、あのとき俺は――」
「乾! 霧崎!」
だが消えはじめた青がふと足を止めた。
霧崎君の声を遮って聞こえてきたのは、大庭君の私たちを呼ぶ声。