15歳、終わらない3分間
 
「ありがとう」

しっかりと見つめてくれるみんなにお礼を言ってから。

私は携帯電話を開く。


本当はそんな言葉じゃ足りないぐらいの色んな気持ちがたくさん詰まっている私の心。

だけどそれは言葉に出来ないぐらい、感情剥き出しのものたちだから。



戻ってから私を見てもらおう。



深呼吸、ひとつ。

着信履歴を見てから通話ボタンを押す。


一拍置いてから繋がるコール音。

早鐘を打ちそうな心臓を落ち着ける為にゆっくりと息をする。



『もしもし』


しばらく経ってから、声が聞こえた。

一瞬言葉につまったものの、みんなの瞳が綺麗だったから。


 
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