15歳、終わらない3分間
風がふわっとスカートを巻き上げた。

誰がいるわけでもないのに、慌ててスカートを抑える手が不用意に右脚のアザに触れ、鈍い痛みが走った。



それほど痛いわけじゃなかったのに、涙が頬を伝う。





だって痛いのは身体じゃない。





今日は私の誕生日だ。

16歳、法律上には結婚も出来る歳。


小さい頃は16歳にもなったらもっと大人だと思っていた。

あちらこちらで見る“女子高生”を見て、華やかさと大人びた魅力を感じていた。


 
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