15歳、終わらない3分間
「大丈夫。何かわかるかもしれないなら……それでいいよ」
みんなに迷惑なんてかけれない。
脱出したいと思うなら、それに私も協力すべきなんだ。
自分のことは、その後なんとでも出来る。
一瞬、教室から呼吸が消えた。
私の声の余韻が、秒針の音にかき消されてゆく。
日下さんの拳が、ぎゅうっと強く握られた。
青野君の頭を掻く手が、ぴたりと止まった。
霧崎君は、微動だにしなかった。
メニュー