花言葉




「…そう?」

「うん、あんたもいい加減このままじゃ二度と新しい恋できないんじゃないかって私心配だよ」


愛が口を尖らせた。


確かに、今はとてもじゃないけど誰かに恋をする気分にはなれない。

純が私の頭の中から離れない。


愛は前から「新しい恋することも大事だよ」って言ってくれてる。
確かにそうだとは思うけど、出来ないものは仕方が無い。


まず、私の中で純以上の人はいないと思う。



「またいい人が居たら紹介してあげるよ」

「ありがとう、愛は男の子の友達多いもんね」

「まぁね!じゃあ私そろそろ行くわ」


愛はそう言って仕事中だというのに、店から出ようとした。


「え、どこ行くの?」

「今日はタカヒトくんと一緒にショッピングー!」


幸せそうに笑いながら愛は出て行った。


「ちょ、愛…」


また私一人で店番か。


それにしても愛はすごく可愛くて男の子にもモテモテ(実際男友達は私の倍以上いる)なのに、
何故か彼氏が居ない。

いつも私に「早く彼氏作りなよ」なんて言うけど、そういう愛は彼氏を作る気はないのだろうか。



「うーん、謎だ」


一人呟いた言葉は静かな店内に響いた。




そんな時、一人の若い男の人が店内に入ってきた。



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