鬼と龍
マスターが
「結局倒したのは100体か、契約者にしてはかんばった方だけどね。これでゲームクリアーだね。」

ハンマーに風と炎を纏わせて、肉体強化の影が凪に振り落とす。
マスターが笑って
「チェックメイト!!」

凪は死ななかった。
逢がハンマーを刀で受け止めていた。
逢がハンマーごと影を押し返して、
「凪、大丈夫か??」

「まったく。来るの遅い!!」

シュラが
「あとは任せろ。逢!!いくぞ!!」
まじめな目で
「ああ。」

刀を構えた。髪の毛が長くなって、瞳が紅くなった。前のようにさびしい色でなく、荒々しさの中に、まるで逢の優しさが紅く灯っているかのような瞳をしていた。
「一の業(ワザ)、すべての業(ゴウ)を消す。
鬼斬闇(キザン)!!」

影に一直線に向う。剣筋が鋭くあっという間に消される。

また凪のいる所に戻り、シュラが
「逢、面倒だ。三の業だ。」

「三の業、闇魂(ヤミダマ)!!」

逢の回りにこぶし大の闇の球体が五つできた。
それが輪を書くようにだんだん大きくなりながら逢を中心にして回る。それに触れた影たちは簡単に消された。
残っていた150体があっという間に倒された。
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