鬼と龍
そこは、村の奥にある湖が夕日を反射させて丸い夕日を表していた。クロが目を奪われた。
「キレイだな。」

「私しか知らないだよ。クロに教えるまでは!!」
雅の顔が赤くなっていた。

雅が、
「クロ、ずっと私の………そばに……いてくれる??」

クロは雅を抱締めて
「俺も雅にそばにいて欲しい。ずっと!!」

二人は夕日の優しい光りに包まれていった。




それから、一か月がたった。
雅の村には所々に火や煙が上がっていた。
戦が起こったのだ。
クロが誰かを抱えて座っていた。
雅がクロの腕の中にいた。雅の心臓には槍が突き刺さっていた。
魔王の力を使っても、雅を治せなかった。
雅が小さな声で、
「クロ、人間を恨まないで、人間が悪いじゃないの……これが私の運命なの。」

「しゃべるな雅!!守れなくて、ごめん!!」
小さく笑って
「いいの。クロ。
大好き。」

「雅、俺も大好きだから。死なないで」

「ありがと……」
雅が息を引き取った。クロは泣いた。魔王が一人の女のために!!


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