宵闇
彼には守るものがある。


それはあたしじゃない。


わかっていた。

なのに、そんな現実から目を逸らし続けていたのはあたし。


でも、今日、あたしはその現実を目の当たりにしてしまった。

もう、逸らすことなんてできない。


彼の守るものを、その瞳を、この目で見てしまったから。



もう、終わりにしよう。

あたしなんかがあの幸せを、壊しちゃいけないんだ。



あたしが守るものは、自分でも、彼との時間でもない。



彼の幸せなんだ。



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