宵闇
仕事を終えて時計を見ると、6時30分だった。

待ち合わせの時間まで30分。

急いで着替えると、簡単に化粧を直し、束ねていた髪をほどいて手ぐしで整える。

癖のある髪は、束ねていたせいもあってゆるく波打っている。



もう一度鏡をのぞくと、まだ着替えている同僚に声をかけ、更衣室を後にした。


外に出ると、湿った空気が肌を撫でる。

6月に入って梅雨入りしたせいで、まとわりつく空気を強く感じるようになってきていた。


じっとりとした空気に顔をしかめながらも、急いで車に乗り込むとエンジンをかけ、宵闇せまる町に車をすべらせた。


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