宵闇
あの日、彼の家族とすれ違ったあの日曜日。


あたしの中に渦巻くどす黒い感情があったことに、気づいていた。


追いかけて、彼の奥さんに何もかもぶちまけたい感情にかられた自分を、あたしは見てしまった。


だから、もう前のあたしには戻れなかった。


ただ、会えるのが楽しみで、会える時間が嬉しくてたまらなかったあたしに。





こんな、親にも友達にも言えないような関係、続けていていいわけがなかったんだ。


恋愛とも呼べない、一方通行の恋。



もう、終わりにしよう。


終わりにしたい。

罪から、解放されたい。



あたしを、自由にして……




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