宵闇
『なかなか連絡できなくてごめん。いろいろ忙しくて』


彼はすまなさそうに手を合わす。


彼となかなか会えないのは百も承知のこと。


それなのにそれを咎めるなんて、あたしにそんな資格はない。


「ううん。会えてうれしい」


素直にそう言った。


短い時間。


少しでも素直で、かわいい女でいたい。


限られた時間だからこそ、そう思えるんだ。



本当のあたしは、全然素直なんかじゃないし、意地っ張りでかわいくない。

だけど今、この時間だけはそんなあたしを封印するんだ。



彼の隣にいる、この時間だけは……

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