ピュア *first love*



「言わないと今日は止めないよ?」

「な、なんで? いつもより、イジワルなの?」

「だって試合が終わるまでは、あみに触れられないから。遊んじゃった……ごめんね」


そう言って、少しさみしそうに笑う彼を見て、胸がキュンとなった。


いつもかっこいい姿しか見せないくせに、私にしか見せないだろうこんな弱い表情をされたら……。


嬉しくて、愛しくて、背中に腕をまわして、思わず抱き締めてしまった。



今考えれば、この行為が彼の中のスイッチを入れてしまったのかもしれない。




< 116 / 340 >

この作品をシェア

pagetop