ピュア *first love*



絞り出すように出した言葉。


これが私の答え……。



一瞬の静寂。


彼は私の言葉を聞いて、ゆっくりと口を開く。


「全ての初めてはあみがよかった……。俺はあみがいいって言うまで絶対に何もしない。それでも?」


コクンと頷く私。彼は“そっか”と、肩を落とした。


「……実感わかない。あみと別れるなんて。カッコ悪いけど、泣いてすがってでも……別れたくないって思ってる自分がいるけど、そんなのきっと、あみを困らせるだから受け入れる」



涙を溢さないように、上を向く彼。


私は口を手で覆って泣いた。罪悪感で胸が痛い。



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