ピュア *first love*
そうだよね。
これ以上、ドン底に落ちることはないよね……。だって、落ちるとこまで、落ちたもん。
少しだけ……気持ちが、楽になった。
「ありがとう。私も二宮くんみたいに、元気になれるような言葉を、かけてあげられる人になりたいな」
「存在自体がもうなってるよ」
「え?」
「どんなに辛いことがあって、嫌な噂が流れても頑張って学校に来てるじゃん。俺が悩んでることなんて、小さく感じる。他にも田宮さんのことを見て、自分も強くなって頑張ろうって思ってる人いると思うよ」
二宮くんは、真っ直ぐに私の目を見て言ってくれた。
「ほーら! 置いていくよ」
「あ……うん」
一瞬、ドキッとした……。だって、なんだか今日の二宮くん、いつもと少し違う。