ピュア *first love*



「俺は真面目に話をしたいんだけど」

「俺は至って真面目だ」

「バカにしてるだろ?」

「むしろ、尊敬してます」


そこまで、言われて俺はため息をつく。


「バカなふりをするのはやめろ。お前がそうやって、おかしなキャラを演じてること、俺には分かってるから」

「……さすがだな。俺、飛び抜けて、頭いいし、女みたいな顔してるからさ。それだけで昔、いじめにあってたから。おかしな人間を演じて自分を守ってるんだよ」


素を見せた二宮は苦笑い。最初は俺も気づかなかったけど、俺にとってはライバルで一番気にしていた相手。


だから気づいた。話す相手によって、柔軟にキャラを変えてることを。



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