ピュア *first love*
「早速だけど、二宮に頼みがあるんだ」
「何だよ?」
「俺の代わりに、図書委員してくれないか。帰宅部だし、問題ないだろ」
「図書委員って……」
本当はこんなこと、こいつに頼みたくない。でも。
「あみが唯一、心を開いて話せる男は、お前だけだから」
苦手な男の子と二人きりにさせて、不安にさせたくない。緊張疲れさせたくないから。
「……俺が田宮さんのこと好きだって、分かってて言ってるのか?」
「ああ。俺は自分の気持ちより、彼女のほうが何倍も大事なんだ」
俺の醜い嫉妬は我慢すればいい。彼女を傷つけた罰。心臓がえぐれそうな思いをしても、耐える。