ピュア *first love*



彼女が安心して、図書委員の仕事をできるほうが最優先。


彼女が笑って学校生活を送ってもらえることが、俺の幸せ。


だから。


「……まだ、好きなんだろ?」

「好きだよ。これから先もずっと想い続ける。でも俺は完全に嫌われてしまったから……」


もう二度と、好きだと伝えることも許されない。


「俺達は完全に別れたから。あみに告白するのもお前の自由だよ。でも、ひとつだけ約束してくれ」

「約束?」

「……絶対に、泣かせないでほしい」


俺は、泣かせてしまったから。最後の最後まで。


「こんなお願い、二宮にしかできない。あみのこと、頼むな」


頭を下げて、俺は二宮の前から立ち去った。



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