ピュア *first love*



唇を離すと、お互いあらくなった息を整える。前髪がかかる距離で見つめあったまま、口を開いた。


「今なら私……大丈夫な気がする。いいよ?」


私の申し出に、彼は首を横にふって、優しく笑った。


「俺も同じ気持ち……だけど、これからはずっと一緒にいられるんだから……ゆっくり二人で“初めて”を経験していこう?」



これからはずっと……一緒。


彼の想いと、優しさに胸がいっぱいになって、私は何度も頷いて涙を流した。


「ずっと一緒にいようね。もう……離れない」

「離さないよ……絶対に」


この日は、幸せな涙をたくさん流した日だった。




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