ピュア *first love*



私は慌てて口を開いた。


「あのねっ……」


言い終わらないうちに唇を塞がれた。必死に顔を背けて抵抗する私。


「やだっ! こんなとこ……誰かに見られたらっ」

「怒ってるあみもかわいいけど、慌てるあみもかわいいね。で? 理由は?」

「〜〜っ!」


常に冷静。こっちはめちゃくちゃ焦ってるのに。見事に形勢逆転だよ。


「……私は相馬くんの口から、推薦のこと聞きたかったの」

「なんだ。そんなこと?」

「そんなことってひどい! 私だって彼女なんだよ」

「彼女だよ。俺の一番大事な女の子」


も、もぉ……そんなこと言われたらドキドキして何も言えなくなるじゃない。




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