ピュア *first love*



とりあえず、私達はベンチに腰掛けた。


「どうして? 入りたくても入れない人だっているんだよ」

「確かにサッカーは大切なものだったけど、今の俺にはあみがいるし」


ドキッとした。でもズキズキという感情も、私の胸の中で一緒に広がって混ざりあう。


「私のせいで断ってほしくないよ。本当は行きたいんでしょ?」

「……あみは俺と別々の高校に進学して、毎日会えなくても平気? お互い知らない3年間を過ごすんだよ。頑張れる?」


なんて切ない目で見てくるんだろう……。


私だってさみしいよ。


でも私は最初から、彼と同じ高校に進学できるなんて思ってなかったし……。



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