ピュア *first love*


私は無理やり笑顔をつくる。


「たった3年間じゃない。まだ私たちは15歳だよ。これから先は長いんだから」


そう言ってベンチから立ち上がって、ブランコ乗り場まで走った。


「離れていても、私は一生相馬くんの彼女だよ」



ブランコに揺られながら、私は叫んだ。


彼はゆっくりとこちらへ近づいてくる。こいでいたブランコの鎖をつかんで、真正面から受けとめる。


「きゃ! 危ないよ」


彼は私に目線を合わせてかがむと、真剣な表情で口を開く。



「一生“彼女”じゃなくて……いつかは俺の“妻”だよ」



……え?



< 227 / 340 >

この作品をシェア

pagetop