ピュア *first love*



「……そ、そっか。そうだよね」


何……今のまさかプロポーズ!? 嬉しくて自然と笑顔が零れた。


家に帰り着くと、お母さんから塾のパンフレットを手渡された。


「うちは経済的に私立は無理だから、県立に行けるように塾に行ってね」


ニコニコしながら言うお母さんに愕然とする。


塾なんて行ってたら、相馬くんと一緒に帰れなくなるじゃない!


「私、自分でちゃんと勉強するから!」

「ダメ! あんたに彼氏がいることは知ってるんだから。悪い噂は聞かないけど、今は大事な時期なんだから我慢しなさい」



……すべてお見通し。さすが田舎の町だ。帰り道にすれ違う人は、知らない人でも挨拶はする。


私が知らなくても、むこうは知ってることが多いから。


だから私が彼と二人で帰っていることも、全て親の耳には入ってる。




< 228 / 340 >

この作品をシェア

pagetop