ピュア *first love*
「……そ、そっか。そうだよね」
何……今のまさかプロポーズ!? 嬉しくて自然と笑顔が零れた。
家に帰り着くと、お母さんから塾のパンフレットを手渡された。
「うちは経済的に私立は無理だから、県立に行けるように塾に行ってね」
ニコニコしながら言うお母さんに愕然とする。
塾なんて行ってたら、相馬くんと一緒に帰れなくなるじゃない!
「私、自分でちゃんと勉強するから!」
「ダメ! あんたに彼氏がいることは知ってるんだから。悪い噂は聞かないけど、今は大事な時期なんだから我慢しなさい」
……すべてお見通し。さすが田舎の町だ。帰り道にすれ違う人は、知らない人でも挨拶はする。
私が知らなくても、むこうは知ってることが多いから。
だから私が彼と二人で帰っていることも、全て親の耳には入ってる。