ピュア *first love*



肌寒い翌朝。


待ち合わせした場所は、学校の下駄箱。


「相馬くん、おはよう!」

「おはよ」


親には、学校のほうが集中して勉強できるからと伝えて、早く出てきてくれたあみ。


時刻はまだ7時すぎ。誰もいない朝の廊下は、なんだか新鮮だった。


「昨日の塾、どうだった?」

「結構少人数でやってるから、すぐあてられるの。気がぬけなくて、集中して勉強できるよ。頑張れば、偏差値もあがるかも」


少しだけ眠そうな目。自分から言い出したことだけど、頑張って受験勉強をしているあみに負担を与えているようで、胸が傷んだ。



< 246 / 340 >

この作品をシェア

pagetop