ピュア *first love*



かわいそうになって、肩を抱いて教室に入る。


「少し寝たら? 疲れてるでしょ?」

「やだよ。私は一秒でも相馬くんと話してたい」



そんなの……俺だって……。


ストレートの長い髪を指でとく。大きな瞳で見つめてくるあみ。顔を近付けたら、ソッと目を閉じた。



その姿は俺の中の、好きって気持ちが何倍にも膨れ上がる瞬間。


愛しい……。


優しく触れ合う唇。


高校が別々だったら……こんなキスもできなくなるんだ。


全ての“初めて”を、二人で経験していこうって言ったのに……。



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