ピュア *first love*



どうしよう……待ってるよね……こういう時に携帯があれば便利なのに。


私は慌てて一階に降りて、電話の子機を握りしめて、二階の自分の部屋へと走って戻る。


そしてこっそり、彼の携帯に電話をかけた。


『もしもし』

『相馬くん、ごめん! 寝坊しちゃって今、起きちゃったっ! もう学校にいるよね。ごめんなさい』 

『気にしないでいいよ。じゃあ、気を付けて来なよ。また後でね』


そう言って電話は切れた。うぅ……優しすぎる。ごめん。


本当に……。
ごめんなさい……。



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