ピュア *first love*



「ふーん。今時、珍しいくらい純粋な女の子だな」

「今となっては悩みの種ですが、そういうところも含めて大好きなんです」

「名前は?」

「田宮あみ」

「ああ、あみちゃんね! 髪の綺麗なちっちゃい子」

「知ってるんですか!?」

「だって、かわいいじゃん」



ヤ、ヤバい。違う学年の先輩からも彼女は目をつけられてるんだ。ジロリと睨んで、念のため釘をさす。


「絶っっ対、手出さないでくださいよ」

「怖い顔するな。お前が本気で好きになった子に、手を出せるかよ。ま、あれだ。そういうタイプの女の子に、ごり押しは逆効果」



そんなこと言われても。何もしなかったら、会話もないまま中学時代が終わってしまう。



< 26 / 340 >

この作品をシェア

pagetop