ピュア *first love*
「ふーん。今時、珍しいくらい純粋な女の子だな」
「今となっては悩みの種ですが、そういうところも含めて大好きなんです」
「名前は?」
「田宮あみ」
「ああ、あみちゃんね! 髪の綺麗なちっちゃい子」
「知ってるんですか!?」
「だって、かわいいじゃん」
ヤ、ヤバい。違う学年の先輩からも彼女は目をつけられてるんだ。ジロリと睨んで、念のため釘をさす。
「絶っっ対、手出さないでくださいよ」
「怖い顔するな。お前が本気で好きになった子に、手を出せるかよ。ま、あれだ。そういうタイプの女の子に、ごり押しは逆効果」
そんなこと言われても。何もしなかったら、会話もないまま中学時代が終わってしまう。