ピュア *first love*
喧 嘩 *quarrel*



「田宮先輩、相馬先輩のボタンだけは私に下さい!」

「…………」


後輩の女の子に呼び出されたと思ったら、これだよ。


私は大きくため息をついて、冷静に対応した。


「彼は私の所有物じゃないの。彼のものは、彼のものだから。私に聞かないで、本人に直接聞いてくれるかな」

「……分かりました。相馬先輩がいいって言ってくれたら、いいんですよね。その時は、田宮先輩は口出ししないで下さいね」



彼は私以外の女の子に絶対にあげないもん。


私はまだ、ボタンのことを一言も口にしてないけど……きちんと私にくれるよね?


彼女としての自信があったから……頷いた。



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