ピュア *first love*
「なんで!? 彼女の私がいるのに、他の女の子にあげちゃうの?」
めちゃくちゃ不機嫌な顔になっていく。まさか、こんな反応をされると思っていなかった俺は、ビックリした。
「だって……ボタンなんてなくても、あみと俺には、たくさんの思い出があるし」
「そういう問題じゃないよ! この世にひとつしかないものなのに……。なんで彼女でもない女の子に平気であげられるの?」
そりゃ、俺だってあげるならあみだって思っていたけど。あみは何も言ってこなかったし。
何より、そんなボタンより、俺達二人の気持ちのほうが大切だと思ったから……。
「……相馬くんがしたことは、私が二宮くんに、気持ちはないのに、バレンタインに本命チョコをあげることと同じだよ。気分悪くならない?」
……は? なんでここで二宮が出てくるんだよ?