ピュア *first love*



「あ、あみ?」

「いい匂い。香水つけてる?」

「つけないよ。俺がそんなのつけてたらひくでしょ?」


なんで? ひくどころか……。


「ドキドキして、鼻血が出ちゃうかも」

「……じゃ、つけようかな」

「フフ、大人だっ!」



幼い私には香水なんて似合わないから、つけようとは思わない。


オシャレに敏感ななおは、香水を何種類か持ってる。かわいい瓶にひかれたけど、香りをかいでみて、やっぱり私っぽくないと思った。


相馬くんは、香水負けしないくらいかっこいいし、落ち着いた雰囲気だから絶対似合うと思うな。



彼と手を繋いだまま、赤いベンチに腰掛けた。その時、ふわりと暖かな風が舞う。



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