ピュア *first love*
「あ……」
彼の香りの正体が分かった。
「桜……綺麗だね」
「うん。ずっと見てた」
バス停のベンチの頭上には、大きな桜の木。
ピンクの花びらがふわふわと舞って、地面をピンクに染めていく。
穏やかな空気が流れる中、私はゆっくりと口を開いた。
「この間から嫌な態度とって、ごめんね。二宮くんのことも……自分がされたら嫌だなって思った」
「いいよ。ただの俺の嫉妬だから……俺も色々ごめん。仲直りして、今日はデートを楽しもう?」
「うん……!」
良かった。やっぱり喧嘩して、モヤモヤしているより、仲直りして笑っているほうが幸せ。