ピュア *first love*



帰りのバスの中。さみしくなって、また暗くなるかと思ったけど、彼女の表情は明るかった。


「メアドはもう考えてあるんだよ」

「誕生日? イニシャル?」

「違うよ。帰り着いたら一番に送信するから待っててね!」


満面の笑みで携帯をいじるあみ。どんなメアドか楽しみ……ていうか。


「あみ……首にキスマークついてる」

「え! 嘘!」

「夢中で気が利かなかった。ごめん。髪で隠してて」


服で隠れないとこに付けてしまった。なんせ初めてだったから。


だけど彼女はキスマークを手鏡で見て嬉しそう。


「ずっと消えなきゃいいのに……。相馬くんのキスのあと」

「……っ!」



ねぇ、さらりとすごいこと言わないでよ。


「消えかけたらまたつけてあげようか?」

「ち、違う! そんな意味で言ったんじゃなくて!!」

「冗談。分かってるよ」


慌てる顔、恥じらう顔、口をとがらせる顔。全部かわいいよ。どこまでも俺をメロメロにさせるんだから……。


大好きだよ……。



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