ピュア *first love*



「俺達に“別れ”はないよ。ちょっとの間、道はふたつになるけど、また同じ道に戻るから」


やっぱり超能力?


私の考えていることなんてお見通し……。言ってほしかった言葉までくれて……。


「私やっぱり、幸せ……」


彼の背中に腕をまわした時に鳴り響いたチャイム。


私は慌てて彼から離れた。


「卒業式、始まっちゃう!」



バタバタと二人で手を繋いで、体育館に向かった。



体育館前には、卒業生がざわざわとあふれ返っている。


機材トラブルで、マイクの音が出なくなったとかで、入場できず、外に待機中みたい。


遅刻しないでよかった。列をつくれって先生が注意してるけど、みんな友達とおしゃべりをしている。



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