ピュア *first love*



「す、好きなフリしてたの?」

「うん。こうでもしなきゃ、気まずくて俺と話してくれないと思ったから。見事に信じこんでくれたから、普通に接してくれて嬉しかったよ。でも高校生になったら、変な奴には騙されないように気を付けなよ」

「……うん」


そう言って、二宮くんは友達の輪の中に戻っていく。


なおが近づいてきて、私の肩に手を添えた。


「二宮なりの優しさだよ。あみに気を遣わせないように、相馬に惚れたフリして。いい奴じゃん」

「うん……」


二宮くん、ありがとう。すっかり騙されていたのは驚きだけど。二宮くんの優しさと思いやりは一生忘れないよ。


卒業する前に……か。私も今まで親友のなおにさえ聞けないでいたこと。ここでおもいきって、聞いていたほうがいいかな。



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