ピュア *first love*



そんなことを考えていると、隣を歩いていた彼女の足が、階段につまづき、前方へと倒れる。


「きゃっ!」

「危な……!」


――バサバサ!!


ノートが散乱する音が、階段中に響く。ていうか、ノートなんか今はどうでもいい。


慌てて右手を彼女の腹部にまわして、どうにか抱きとめた。


「大丈夫?」


顔をのぞきこむと、頬がピンク色に染まる。



初めて触れた。こんな至近距離で彼女の顔を見るのは、初めてでドキドキする。



< 35 / 340 >

この作品をシェア

pagetop