ピュア *first love*



休み時間だけど、人通りの少ない階段。


シンッとした二人きりの空間が、やけに長く感じた。


……あ、あれ?


俺は何を言ってんだよ?



告白するつもりなんてなかったのに。誤解を解きたくて、必死になって言った言葉が……。


“好き”だなんて。


言ってしまった。
伝えてしまった。


俯いて、ノートを拾っていた彼女は、顔をあげて俺の顔をゆっくりと見てくる。



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