ピュア *first love*



嫉妬で狂いそう。



……そんなぐちゃぐちゃな気持ちを抱いたまま。



放課後、図書室へと向かった。


昨日とは違う気持ちで、図書室の扉を開ける。


彼女はすでに来ていて、本の仕分けをしていた手をとめて、振り向いた。


「早かったね」

「……うん」


サッとすぐに、目をそらされる。その仕草は、心臓が痛くなるほどショックだった。



なんで?


前と変わらない態度。昨日、あんなにスムーズに会話ができていたのに。本当の笑顔を向けてくれた出来事が嘘のようだ。



二宮とは、顔を見て、あんなに楽しそうに話してたくせに……。




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