15歳からの恋愛白書
「ごめんね、ごめんね、私たまに考えてることがそのまま口に出ちゃうの」



私は一生懸命弁解した。



「うん、いいんじゃないかな。
別にオレは、気ぃ悪くしてないよ。」



その無邪気な顔につられて、私の顔の緊張がやっと解けた。



「私もこういう時、パッと動いてしまわないとイライラしちゃうタイプ。
熊君が動いてくれて助かったぁ」



「そりゃどうも。
やっと打ち解けてくれたかな。
あ、プリント、はい。」


回ってきたプリントを後ろに回しながら、少し意地悪そうに熊君は言った。



こうして始まった文化祭実行委員会。


隣に座って、一生懸命プリントにチェックを入れているクマのような大男を、私はもう怖いと思わなくなっていた。




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