15歳からの恋愛白書
スニーカーを履いて玄関を出た時には、もう雨はあがっていたが、私のモヤモヤした気持ちと一緒で、どこか冴えない曇り空だった。


私は時間ぴったりに着いたのだが、熊君は待ち合わせ場所の市民ホールに先に着いていた。



「おーい、里山、こっちこっち」



無邪気に笑いながら手を振る熊君。


私も手を振りながら走り寄った。



「ごめん、待たせちゃった?」



「んや、時間ピッタシだから。
さすが里山♪」



「そっか、良かった・・・
・・・っつ・・・」



息をきらしながら私は安堵したが、少しの鈍い痛みがお腹をよぎった。


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