15歳からの恋愛白書
私の両肩に置いた富田君の手に一瞬力が入る。


しかし、すぐにその手は肩から離れた。


ゆっくり顔をあげた富田君は私の目を真っ直ぐ見つめてきた。



彼の唇が動き出すのが怖かった。


しかし、この無言の空間の方が何よりも怖かった。


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