15歳からの恋愛白書
「そんなに警戒しないでよ。
もうだいぶ、気分も落ち着いたし。
オレ、ダメなんだよなぁ、はっきりしないのって。
ウロウロしてないで、さっさと入れって感じ。」



「あ、それで不機嫌そうだったの?」



「・・・顔に出てた?」


彼はしまったというように、ちょっとバツの悪そうな顔をして舌を出した。



「うん、出てた・・・」


その表情が思ったよりも可愛くて、私は素直にうなずいた。


そして、また、ハッと口を塞いだ。


「あははっ、里山さん、オレ見て口塞ぐの3回目!」



また可愛い笑顔。


体格に似合わず、この人は柔らかく可愛く笑う。


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