*。恋するブス。*
「先生!減点・・しない?」


スーツの裾をつかむ。

減点だけは勘弁。


私はちゃんと行きたい高校があるんだから。




「じゃあそのプリント今日の6時までに出したら許したる」


あー危ねぇ。

こんなんで減点されてたまるかっつうの。


あーでもホッとした。



ホッとしたら自然に笑顔になった。




「あっ笑った」


えっ?


「佐藤って全然笑わんから」



あー確かにあんまし笑わないかも。

てか先生の授業で笑うとこあんまないし。

先生しょっちゅういじられてるけど。


えっ?

でも笑ってるよ。先生の授業。

周りが笑ったら。私もあわせて笑うし。

本当はあんま面白くないんだけどね。

あわさないとノリ悪い子って思われんじゃん。



「ウチのいつもの笑顔って不自然?」


不自然だったらちゃんと直さなきゃ。

だってこのままでったら無理して笑ってるってバレんじゃん。


そしたらさ


『なんなんあのこ。人の話つまんなそうに聞くよなぁ』


っていわれんじゃん?











「みんな誤魔化せても俺は教師やからわかんねん」







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