センパイ
辛いなら

運命を恨めばいい。



誰も悪くないんだ。




好きでいてくれただけで俺は幸せなんだから。



小さくなっていく葵の背中に



そっと「バイバイ」と呟いて




俺は家に向かった。



・・・荷作りしなきゃな。



悲しいヒグラシの声。



「アメリカでも・・ヒグラシ鳴いてんのかな。」



俺は夜空に向かって言った。
< 206 / 227 >

この作品をシェア

pagetop