また恋をした、その時に。
「あなたはこれからどうなりたい?
このままでいいのですか…?
私は、
あなたにはもっと学ぶべきものが
あると思います。」
───どうなりたい?
僕は、僕は……………
『お〜い、出来損ない兎のリク』
『お前、遅いんだよ………』
『可哀想な兎だな。』
陰口だって沢山言われてきた──
『アイツのようにはなりなくない』
とか、もっと酷い事も。
今までの出来事が
頭の中に鮮明に蘇り。
嫌な記憶が僕を苦しめる。
その記憶を吹き飛ばすかのように
頭をブンブンと左右に振った。
ハァ………ハァ…………
次第に呼吸が乱れ始める───
小さい体、筋肉のない足。
くすんだ毛色。
こんな自分、大嫌い。
唾を飲み込み、
やっとの思いで声を出した。
「強く、なりたいです………」