また恋をした、その時に。



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  「今日一緒に帰らない?」

その日の放課後、
教科書を鞄に入れ、帰り支度をしていると
突然ヒカリが振り返って、私に訊ねる。



「ど……どうしたの急に?」

私は思わず言葉に詰まってしまって。


「そ、そんな驚かないでよ。
ちょっと心美と話したいなって。」

ヒカリは複雑そうに眉をひそめて
首を傾げる。



「大丈夫だけど………」

「じゃあ、帰ろ?」

彼女はそう言うと私の腕を掴み、教室を出る。

───こんな事は初めてで戸惑いが隠せなかった。


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