また恋をした、その時に。
「嫌だよ、リクのコーチなんて、断る。1人でやってろ。
用がそれだけだったら、戻からな?」
僕の呆然とした様子を見ると、
小日向君はギロリと僕を睨み付けてから
背を向け、この場を立ち去ろうする。
い、行かないでよ小日向君……!
どうしても、君にお願いしたいんだ。
中学の部活は男子バレー部だった小日向君。
その時の部員数は2人だけだったらしい。
みんな先生の厳しい練習についていけなかったんだって。
それなのに、2人だけで市内の大会
を勝ち上がり県大会まで出場した。
なんて、この前体育の先生が呟いてたから。
本当に凄いよね。
きっと小日向君なら
僕を強くしてくれる───
そう思うんだ、だから───
「待っ………て」