また恋をした、その時に。



「嫌だよ、リクのコーチなんて、断る。1人でやってろ。
用がそれだけだったら、戻からな?」


僕の呆然とした様子を見ると、
小日向君はギロリと僕を睨み付けてから

背を向け、この場を立ち去ろうする。


い、行かないでよ小日向君……!

どうしても、君にお願いしたいんだ。




中学の部活は男子バレー部だった小日向君。


その時の部員数は2人だけだったらしい。


みんな先生の厳しい練習についていけなかったんだって。

それなのに、2人だけで市内の大会
を勝ち上がり県大会まで出場した。


なんて、この前体育の先生が呟いてたから。

本当に凄いよね。


きっと小日向君なら
僕を強くしてくれる───

そう思うんだ、だから───

「待っ………て」


< 117 / 368 >

この作品をシェア

pagetop