また恋をした、その時に。
───その日から小日向君との練習は始まった。
「外周5周!1時間以内!」
そう言って、
小日向君は腕を組みながら、
僕を鋭い目で見る。
僕はゆっくりと走り始めた───
外周3周目で歩きたくなってきて。
外周4周目。
足も重いし、呼吸も辛い。
“もう歩きたい………”
僕の弱い部分かじわじわと滲んでいくように出てくる。
何回も頭を振り、弱い部分を追い払う。
心美ちゃんの笑顔を思い浮かべながら
果てしない道のりを走り続けた。