また恋をした、その時に。



───その日から小日向君との練習は始まった。


「外周5周!1時間以内!」

そう言って、
小日向君は腕を組みながら、
僕を鋭い目で見る。


僕はゆっくりと走り始めた───




外周3周目で歩きたくなってきて。


外周4周目。
足も重いし、呼吸も辛い。

 “もう歩きたい………”

僕の弱い部分かじわじわと滲んでいくように出てくる。

何回も頭を振り、弱い部分を追い払う。

心美ちゃんの笑顔を思い浮かべながら
果てしない道のりを走り続けた。


< 119 / 368 >

この作品をシェア

pagetop