また恋をした、その時に。
───僕にしか出来ない、事?
心臓がドク、ドク…と
力強く波打つ。
もしかしたら。
本当は弱虫な僕なんかじゃない
…かもしれない。
心の何処かで
そんな事を思ってしまう。
少し“期待、自信”と
未知なる世界への“不安”。
2つの感情が、
自分の心を交互に支配していく。
「分かりました…、
…行きます…地球に。」
緊張で震える体。
これから僕はどうなってしまうのだろう?
「そうですか───
では・・・・・今からあなたは
宇津木 陸
高校1年生の男の子です。」
天のお月様がそう言った瞬間。
この真っ暗い場所が
カッと明るくなり。
眩しくて、目が開けてられない。
月の砂が
真上に舞い上がっているようだ。
次の瞬間。
「…………っ!」
僕はそのまま
天のお月様の石に
吸い込まれていった─────
息をするのも忘れるくらい
一瞬の出来事で。
それから…意識が、なくなった。
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