また恋をした、その時に。




ガチャっと保健室の扉が開く音がしたのは。


リクは一瞬固まる。

それから、
柔らかくて、儚げな微笑みを残してカーテンを手で避け、
私のもとを去って行く。


「あら、もう大丈夫なの?」

「はい…」


「そう、じゃあ今から担任の先生に手紙書くからちょっと待ってて」


保健室の先生とリクの会話が聞こえる。

どうやら、先生は少しの間ここにはいなくて、別の場所にいたよう。


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